ミノキシジルの効果を解説
ミノキシジルは、薄毛の治療によく用いられる治療薬です。 今回は、ミノキシジルの効果や注意点について解説します。
ミノキシジルは元・高血圧治療薬。発毛促進効果がある
ミノキシジルは、発毛を促すことで薄毛を改善します。血管を拡張する効果があり、もともと高血圧の治療薬として開発されました。降圧薬臨床試験の際に、副作用として偶然毛が多く生えてくることが認められ、「発毛剤として使用できるのではないか」と研究が進み、現在では薄毛治療に用いられているのです。
アメリカにおいて頭髪医薬品として研究が続き、日本では、1999年に厚生労働省から外用の発毛医薬品として認可されました。
薄毛治療の効果が認められ、厚生労働省の承認を得ている薬剤は非常に少なく、ミノキシジルを含めて数種類しか存在していません。発毛する環境を整え、発毛を促す効果があると言われています。
ミノキシジルは血行を促進し、髪に栄養を送り届けてくれる
ミノキシジルの発毛作用を理解するためには、人がなぜ薄毛になるのかを知っておかなければなりません。通常、1本の髪の毛は2年～6年ほど伸び続け、やがて寿命を迎えて抜け落ちます。その後数ヶ月間の休眠期間を経て、再び同じ毛包から髪の毛が生えてきます。
薄毛の人は、この髪の毛の成長サイクルのどこかに問題が発生している状態なのです。髪の成長が遅い、成長期間が短い、休眠後に再び髪が生えないといった理由が考えられます。その原因はAGAであったり、頭皮環境の乱れだったりします。
そこで登場するのがミノキシジルです。ミノキシジルには、血管を拡張し血行を促進する効果があります。血液は酸素や栄養成分を運んでいますから、血行が促進されれば体のすみずみまで栄養が行き届きます。もちろん髪の毛も例外ではありません。毛包の1つ1つにまで栄養が行き渡ることで、毛母細胞が活性化し、発毛を促すことができるのです。
日本皮膚科学会のガイドライン
日本皮膚科学会では「男性型脱毛症診療ガイドライン（2010年版）」を策定しています。
8つの治療薬・育毛剤が検証され、それぞれ推奨度が「A： 行うよう強く勧められる」、「B：行うよう勧められる」、「C1：行うことを考慮してもよいが，十分な根拠がない」、「C2：根拠がないので勧められない」、「D：行わないよう勧められる。」に分類されています。 その中でミノキシジルは、治療法として「推奨度A：行うよう強く勧められる」とされています。男女ともに推奨度Aであったのはミノキシジルだけでした。
ミノキシジルには、頭皮に塗る外用薬と内服薬がある
ミノキシジルには、頭皮に直接塗布する外用薬と、タブレットタイプの内服薬の2種類があります。ミノキシジルを使用するためには、クリニックで処方してもらうのが一般的です。
ミノキシジルの外用薬は、頭皮に直接塗布し、皮膚から吸収されて毛細血管に作用し、発毛を促す環境をつくります。 内服薬は、もともとミノキシジルが高血圧治療のための血管拡張薬であることから、強い副作用のおそれがありますので、用法・容量や注意が必要です。必ず専門家の指導のもと、服用するようにしてください。
ミノキシジルは男女問わず使用可能
ミノキシジルは発毛を促す治療薬なので、ある程度進行した薄毛に対しても効果が見込めます。同じくメジャーな薄毛治療薬としてはフィナステリドがありますが、こちらは薄毛の進行を抑制するタイプの治療薬です。フィナステリドで薄毛の進行を抑制し、ミノキシジルで発毛を促すということで、併用されることもあります。
ただし、フィナステリドは女性に処方することはできません。男性ホルモンの働きを抑える薬なので、男子胎児の発育に悪影響を及ぼすおそれがあるからです。また、比較的年齢が高くなると、フィナステリドの効果は認められておらず、女性には使用されません。 ミノキシジルは、こうした影響が認められておらず、男女ともに使用することができます。
ミノキシジルの効果
ミノキシジルの効果が現れるまでには、早くて2ヶ月ほどかかります。髪に栄養を届けて成長を促す関係上、ある程度の時間が必要なのです。しかし、専門家のもと、用法、用量を守り、治療を続けていけば、効果が実感できるようになるでしょう。
ミノキシジルの特徴を理解し薄毛を改善しよう
ミノキシジルは、クリニックで薄毛治療を受ける人の多くが使用することになるでしょう。市販薬を購入している人も大勢いると思われますが、しっかり効果を出していくためには、専門家の指導が必要です。
せっかく長い時間をかけて治療していくのですから、その効果を最大限に発揮し、安全に使っていきたいですね。当院では、患者様のご状況をヒアリングした上で、皆様に合ったオーダーメイドの治療法をご提案しています。ぜひカウンセリングにてご相談ください。
